とまとまき
10日間のEsinクリエイティブワークショップで学んだこと、つくったもの、継続プロジェクトなど。
Day 6-10
Day 6
■2月23日(月)
Day 6:
週末に制作した建築模型やフォントなどの成果物を見せ、講評を受ける。
その後、建築模型について課題をもらったので、二つ目をつくるためにひたすら制作作業。レーザーカッターで板を細かく切断し、それを高層ビルに見立てて、摩天楼をつくっていく。じかんをかけてつくりつつ、ただし必要以上に手間がかからないように、スケールや配列に工夫をしながら。ワークショップ後、夜はMakers' Baseの木工旋盤のワークショップに参加。回転する木の塊を削って、お椀などをつくる方法を学ぶ。
【制作物・プロジェクト】
建築模型『Urban Treehouse I』
┗UVプリンター&模型版
┗レーザー彫刻&模型版
ジャーニー: ブログ執筆、写真撮影&投稿
【備考】
休み明けの月曜日は、各自制作作業に集中して取り組んだ。
次第に、制作のペースがつかめてくる。いろいろ試行錯誤をしながら、作品づくりが楽しくなってくる。
この時間が、ずっと続けば良いのにと思う。
Day 7
■2月24日(火)
Day 7:
二つ目の建築模型が完成。そのコンセプトを説明するために、A0サイズの用紙にドローイング。
この日の午前中に、彫刻作品をほぼ仕上げる。講評は最終日の予定。
『Writing on Writing』の文章をIllustratorでデザインし、レーザーカッターで木の板に彫刻。その上からトコノールの黒色で着色する。
色をテーマにした宿題。
【制作物・プロジェクト】
建築模型『Urban Treehouse II』
┗レーザー彫刻&模型版
『Writing on Writing』 on Wood
ジャーニー: ブログ執筆、写真撮影&投稿
【備考】
ここまで来ると、一分一秒が貴重になってくる。テレカンの予定が入っていたが、出席をキャンセルさせてもらって、制作に集中。
ワークショップ期間がもう残り少ない。あせる気持ちを抑え、ランチは外で食べる。ワークショップ期間中の10日間、まともに昼食をゆっくり食べたのは、この日と、前半の一日と、合計二日間だけ。特に空腹も感じない。まさに、「寝食を忘れて」といった感じ。
Day 8
■2月25日(水)
Day 8:
午前中に、『色』についての講義と、色の課題の提出。このときの作品はあまり納得のいく出来ではなかったので、その日のうちにもう一作品追加で制作。午後は、tomatoがこれまでに制作したプロジェクトや作品についての講義。約300ページのプレゼンテーションを駆け足で。
フォントを100点制作。
WayPostに追記。
ジャーナル(ブログ執筆と写真投稿)は、期間中毎日更新。
『フィネガンズウェイク』は少しずつ目を通しているものの、文章の意味がまったくつかめず、経文を眺めているような感覚。
ワークショップの残り期間があとわずか。プロジェクトごとにGoogleスライドで資料を作成。彫刻作品の写真撮影。最終課題の作品アーカイブの制作準備。
【制作物・プロジェクト】
『Colors』の作品
┗プリントアウト2点
┗パネルに貼ってつくりなおしたもの1点
自作のフォント100点
┗実際にフォントとして使える.otf(Open Type)のフォントを100点制作
WayPostにページ追記
【備考】
8日目が終わると、残りあと二日。9日目には「Creative Conversation」というトークセッションとパーティがあり、最終日は18時に終了して打ち上げ。もう、制作に使える時間は残り少ない。諸々同時進行でひたすら制作を進める。極限を超えるクリエイティブワークショップの意味が理解できる。ただ、当時の自分はひたすら必死にやっていただけで、実はまだまだもっとできると感じていた。クリエイターズ・ハイとも言える状態で、作品のクオリティが下がっていることに気づきづらい状況。ここらへんの感覚を理解できたのも、良い経験だった。夜、広告案件のブログが締め切りのため、執筆作業。
Day 9
■2月26日(木)
Day 9:
残りはもう2日間。かえって開き直りつつ、与えられた課題とはちょっと違うことをやってみた。
2年ほどまえ、デザインフェスタというアートイベントの会場で、8m×3mの巨大な壁面スペースに、4人で「富士山」の絵を描いたことがある。4人がそれぞれの画材と、それぞれのタッチで描く中、僕は「富士山」という業務用スタンプを複数パターン業者さんに発注し、ひたすらその判子を壁にぺたぺたと何万回と押しながら絵を描いた。そのとき使ったスタンプをワークショップに持ち込んで、朝一でスケッチブックに落書き。楽しかった。
『Colors』の追加作品と、『Writin on Writing』の最終形を見せて、講評をもらう。
タイポグラフィーについての、ジョン・ワーウィッカーさんの講義。
インタラクティブ・アートについて、ジョエル・バウマンさんの講義。
16時過ぎに移動し、『クリエイティブ・カンバセーション』の会場へ。今回のワークショップの講師であるtomatoのジョンとジョエル、リボネシアの吉川徹さんの他、tomatoのスティーブ・ベイカーがモデレーターを務め、サイモン・ブラウニング、グラハム・ウッドなども参加。
【制作物・プロジェクト】
『Writin on Writing』
┗パネルにレーザー彫刻(最終形)
富士山ハンコで落書き
┗タイポグラフィーを重ねていく作品
【備考】
「クリエイティブカンバセーション」のトークイベントで、ワークショップの中でも出てきたキーワードがいろいろ出てきた。
中でもこのクリエイティブワークショップのベースにある、「Permission to be creative」という言葉に強く共感。「クリエイティブになる許可」という意味だが、実際にはそのPermissionは自分で見つけるもの。ワークショップはそのきっかけでしかない。トークセッションの後のパーティーで、以前出会っている方と偶然再会。出会いの場でもあった。
Day 10
■2月27日(金)
Day 10:
ワークショップ最終日。吉川徹さんによる、彫刻作品の講評。底辺30×30cm以内、高さ90cm以内で、自立式の作品。ギャラリースペースで10万円で販売できる作品、というテーマで、実践的なアート作品についての講評が面白かった。ギャラリーの取り分が半分だとすると、アーティストの手元に来るのは5万円。その中で、材料費や制作の工数なども含み、利益を上げなければならない。これは、なかなか難しい。しかも、限られた時間の中で作品をつくらなければならない。僕は、大きな梱包剤の中に、USBメモリを仕込んだ作品をつくった。USBホスティング機能のついているスマートフォンを、直接マイクロUSB端子に接続して、10,000点の壁紙画像がダウンロードできるという仕組み。この壁紙は、過去僕が約10年間にわたって制作してきた作品のアーカイブ。そのデータと、仕組みも込みで、10万円で販売する価値、と。彫刻としては、単に梱包剤を針金でまいて、電気スタンドの土台にくくりつけただけなので、実際の制作費も数千円くらいだし、制作時間にいたっては、素材を買ってきた後はものの20分くらいでつくってしまってる。中に仕込んだデータが、作品の価値、というわけ。
この作品については、由来とか、コンセプトとか、もっと語れるけど、それはまた別の話。
最後に、ジョン・ワーウィッカーによる、『フィネガンズ・ウェイク』の種明かし。なるほど、そういうことか。
ここ10日間の作品をすべてまとめたポートフォリオ的な作品アーカイブを作成し、今回のワークショップは終了。
ただし、このワークショップは終わるが、実はここからが本当の始まり。このワークショップで学んだことや経験を、今後の人生にいかに生かすかということが大事。ここからが、スタートなのだ。
【制作物・プロジェクト】
・彫刻作品
┗作品解説のパネル
┗作品の証明書
・作品アーカイブ
┗この10日間つくったもののまとめ
┗博物館の標本のように、道具や工具など、小物をまとめる
┗ブログを紙に出力したり、様々なプリントアウトも
┗アーカイブの表紙は『Writing on Writing』のレーザー彫刻パネル
・各種スライドドキュメント
┗作品アーカイブとは別に、デジタル形式の作品まとめを作成
【備考】
10日間の僕らの居場所。打ち上げの後、離れるのがつらかった。
ワークショップに参加当初は、仕事をやりながら課題をできるかなと思っていたけど、甘かった。フルコミットメントで、全力投球。それこそ、文字通り寝食忘れて、寝ても覚めてもというノリでひたすらワークショップをエンジョイ楽しみました。
本当に、生涯忘れられない、一生に一度の体験ができました。
ワークショップは終わりましたが、ここからが本当の始まり。本当に、貴重なものをたくさん体験して学んだので、これからの人生に活かしていきたいと思います。