とまとまき
10日間のEsinクリエイティブワークショップで学んだこと、つくったもの、継続プロジェクトなど。
Day 1-5
Day 1
■2月16日(月)
Day 1: 参加者が4名だと知る。簡単な自己紹介の後、会場であるMakers' Baseのツアー。各機材や資材の場所を確認し、施設の利用や、機材トレーニングについての説明を受ける。
初日のメインテーマは写真について。ジョン・ワーウィッカー氏がメインの講師となり、ランチの時間に最初の「街のリズムを探す」写真撮影課題。僕は貼り紙や看板を撮りました。午後の講評を受けて、二度目のフォトウォークでは、アスファルトやコンクリートの隙間から生える雑草を撮影したのと、残った時間で本棚の背板の割れ目からスマホで連写。この、5分で撮った連写作品の方が意外と好評でした。
その後、時間いっぱいまでジョンによる写真の歴史についての講義。カメラ・オブスキュラからカメラの進化と現代に至るまでの写真史を学ぶ。ワークショップ期間を通じて「ジャーニー」という課題が与えられる。18時にワークショップ終了後、顔合わせの飲み会。
【制作物・プロジェクト】
・フォトウォーク1
┗貼紙の写真を撮影
┗写真約50枚(Instagramアップ21枚)
・フォトウォーク2
┗歩道のアスファルトやコンクリートの割れ目に生える草を撮影
┗写真約130枚(Instagramアップ12枚)
・連写作品
┗本棚の裏板の木の隙間から向こう側に見える光景を連写で撮影
┗写真約300枚(→後日GIF化約10点)
・ジャーニー
┗ブログを3本執筆
【備考】
参加者が少なかったため、事前に講師が一人減る旨が告げられていた。20名募集のワークショップで、結局参加者は4名。
この日、夜に出社。10日間のワークショップ期間中、唯一の出社日となった(ビデオ会議は除く)。
Day 2
■2月17日(火)
Day 2: ジョエル・バウマン氏による制作と思考のプロセスについて、実際につくりながら学ぶ。まずは、スケッチブックに20分間のフリーライティング。その後、文章を編集して短くまとめる。それができたところで、その文章を自分の声でナレーション録り。続いて、その音声を聞きながらグラフィックの制作(この過程で自画像を描いた)。そして最後に動画にまとめるというプロセス。最終的なゴールに向かってつくるというよりも、ひとつひとつ派生していく感じ。動画の仕上げは翌日までの宿題となった。ランチブレイクに、一人で目黒寄生虫博物館へ。昨日の写真課題の派生形として、8メートルの寄生虫を少しずつ移動しながらコマ撮りで撮影。その他、展示されている標本に書かれた文字をひたすらスケッチブックに書き込むなど行った。午後は、ジョンのフォトブックプロジェクトの製作途中のものを見ながら、写真のリズムやパターンについて学ぶ。ジェスチャードローイングが面白そうだ。その後、ジョンのフォント/タイポグラフィー講義が日没まで続いて、この日のワークショップは終了。
【制作物・プロジェクト】
・フリーライティング
・文章編集
・ナレーション録音
・グラフィック作成(自画像ドローイング)
・動画制作
・寄生虫博物館で標本名の文字書き写し
┗スケッチブック一面に
・寄生虫標本や標本名の資料写真撮影
┗写真約90枚
・寄生虫の連続写真撮影
┗写真約110枚
・ジャーニー
┗家に着くまでの音や会話を文字起こし→Evernoteに収集
┗ブログ執筆、写真撮影&投稿
【備考】
コンデジと一眼デジカメの違いについて。高価なカメラであれば良い写真が撮れるとは限らないというジョンの意見(キヤノンのPowerShotユーザー)。それに反して、ジョエルは別の意見を持っていそうだ。こうして、講師たちがそれぞれ違う意見をもっているのも、このワークショップの特色であり、おもしろいところ。「Sense and Sensibility(感性と感受性)」について、というキーワード。
Day 3
■2月18日(水)
Day 3: フォトウォークの課題をプリントアウトし、床に並べて100点の写真を講評。それぞれ、個性ある作品。僕の連写作品は意外にも高評価だった。時間をかけて撮影した写真よりも、5分程度で撮影した300枚の連写の方が良いコメントをもらうとは。引き続き、タイポグラフィーについて。実際にフォントをいくつかデザインした。よくある標準フォントをJPEG圧縮でつぶしていき、崩れた文字をイラレでアウトライン化してフォントにした。
【制作物・プロジェクト】
・寄生虫の連続写真から動画作成
┗コマをつなげ、ショート版とロング版
・フォント制作
┗JPEG圧縮を100回繰り返した後、崩れた字体のフォントを作成。
・ジャーニー: ブログ執筆、写真撮影&投稿
【備考】
時間をかけて撮影したフォトウォークの写真よりも、空き時間についでに撮影した隙間からの連写の作品の方が評価が高かったのが面白かった。労力をかければよい作品がつくれるのではなく、時々、自分でも思いもかけない時に面白い作品が短時間でつくれることがある、ということ。それと、フォントの世界は奥が深い。ジョンは、フォントについて話し始めると止まらない。
Day 4
■2月19日(木)
Day 4:
「Makey Makey」という電子工作キットを使って、センサーと音声を組み合わせた作品をつくるプロジェクト。対象年齢8歳以上の簡単な電子回路とセンサーをコードでプログラムする単純なものだが、これは面白かった。まずは、キットの簡単な説明を受けてから、アイデア出しとコンセプトドローイング。一本のアースと、最大10数本のセンサー回路を組み合わせて、通電すると音が鳴る仕組み。僕は、「電子ブーブークッション」の電子版を作成。座るお尻にアースをつけることを考えたが、ジョエルと設計の確認をしたときに、椅子の方に簡単なスイッチをつけることを提案され、その設計に変更。制作に必要なスポンジとアルミホイルを近所のコンビニで購入。おならの音声素材を用意して、プログラミングのコードを書き換え、完成。ここまで、約2時間くらい。昼休みに、みんなに座ってもらったりして、遊んだ。一番早く作り終わったので、午後は参加者さんたちの制作を手伝うことに。皆、個性的で面白い。こうやって、共同作業でつくっていくのも面白い。18時から、Makers' Baseの機器トレーニング。18時から22時までみっちりと「彫金」を学んだ。
【制作物・プロジェクト】
ジャーニー:Freewriting
電子ブーブークッション
フィネガンズウェイクを読む
┗140万文字のCUBEを参考作品として
(カメラ・オブスキュラに関連して、ピンホールカメラを参考作品として)
ジャーニー: ブログ執筆、写真撮影&投稿
【備考】
みんなの電子工作を手伝っていて、すごく楽しかった。キッズ向けのワークショップをやっていて思うのだが、僕はこういう風に「アート」を介してつくる過程でコミュニケーションを取るのが好きだ。アートは別に、難しくて高尚なものである必要はない。みんなと一緒につくるのは、本当に楽しい。ワークショップ期間中も、この課題の後で自分の意識が変わったように思う。
Day 5
■2月20日(金)
Day 5:
書くことについて書く、『Writing on Writing』という課題。自分にとって書くこととは呼吸することと同じ。書くことが自然に生活の一部になっているから、書き続けている。体験し、学び、感じたことを記録していく行為は、多分自分にとっては一生をかけて長い「遺書」を書いているのかもしれない。
この、書くことについての文章は、レーザーカッターで板に彫刻し、最終課題の作品アーカイブの表紙にも使用した。
午後は、建築について。建築物のコンセプトを考え、それをドローイングで描き、フォトショップでビジュアル化するまでがこの日の課題。次のステップは、実際に建築模型を作成する。
フォントのタイプフェイスを2点制作。Arialを100度圧縮出力して劣化させた『Dcayed Arial』というフォントを自作。同じく、ジョン・ワーウィッカーから「つくってみな」と言われたMatrixフォントを使って、『Decayed Matrix』というフォントを作成した。
WayPostという自分の百科事典をつくるプロジェクトに、ページを追加。まずはカメラから。
彫刻についての課題説明。底辺30×30cm以内、高さ90cm以内の『悩み』をテーマにした彫刻作品。自立式で、ギャラリー価格10万円で販売できるものという条件。
【制作物・プロジェクト】
Writing on Writing(書くことについて書く)
Architecture
┗建築物を考える。コンセプトドローイングの後、フォトショップでビジュアルを作成
フォント制作
┗Decayed Arial、Times、Matrixの2フォントを作成
WayPost
┗自分専用の百科事典のようなもの
彫刻についての課題
┗まずは構想
ジャーニー: ブログ執筆、写真撮影&投稿、Freewriting
【備考】
ワークショップの前半が早くも終了。週末に制作しなければならない課題が多いが、土日にあまり時間が確保できないため、なるべく平日にできるだけつくってしまうことにする。課題が増えてきたので、今まで以上に効率性を考え、スピードを上げて制作に取り組む。
電子工作キット「Makey Makey」をAmazonで購入した